編集者の読書感想文

書籍編集者の読書感想文です。良書を出版するために、ベストセラーのヒントをつかむために、書籍を読み漁っています。編集者としての気づきや気に入ったトピックなどをシェアします。たまに、話題がずれますが。

終息まで、今はどのあたり? 『ペスト』(新潮社)の読書感想文

カミュ(著) 、宮崎嶺雄(訳)

1969年11月出版/825円/文庫判/1色刷り/表紙カバーあり/

476頁/右開き/文字は縦組み/1ページ38文字×16行/

柱:本のタイトルが上辺に

 

<出版社>

www.shinchosha.co.jp

 

Amazon

 

今、よく読まれている小説と聞き、本書を手に取りました。

 

ただ、スッと読める文体ではなく、見出しもなかったので、はじめは読みにくかったです。

この点が、昔の小説と今の小説の違いですね。

 

また、ペストとコロナの状況を照らし合わせながら読みました。

大変興味深かったです。

 

<目次>

 

1.ストーリー

 

ペスト流行時の医師リウーの体験談になります。

感染の始まりから収束までを、克明に伝えています。

 

ペストの流行は、ネズミの死骸をよく見かけるようになったところから始まります。

その原因がペストだと認定。町は封鎖されます。

 

やがて町中で、不満の出る人が続出し、気狂いも現れます。

また、街を出ようとする自己中心的な人も現れます。

 

しかし、ペストがますます広まると、人々の中に、あきらめモードが漂います。

その中、ある人は、もっと悪い所があるから自分はマシだと慰めたり、ある人は、自暴自棄になったり・・・。

 

そして、人々の中に、もう終息しないのではないかと思い始めた頃、ペストの患者数が減っているニュースが入ります。

 

2.今と重なる部分

 

感染拡大当初の対応

ネズミの死骸より、ペストと疑われた頃、知事などは事実を認めず、市民に知らせようとしない場面がありました。

中国で感染が拡大した頃の、WHOの対応を思い出しました。

 

町の封鎖

ペストと認定した後、町を封鎖しています。

諸外国がロックダウンをしていたのを思い出しました。

 

墓問題

死者が増えてくると、墓問題も。

ブラジルの集団墓地を作っているニュースを思い出しました。

 

これ以外も、いろいろ重なる部分がありました。

なんだか、今のコロナの情勢を見ているようでした。

 

3.現状は、どのあたり?

 

重なる部分が多いので、今、この段階なのかなと、勝手に推測。

今、約400ページ中の200ページ台かな?

そう思うと、まだ、小説の半分ぐらいの位置です。

 

なお、ペストは何が功を奏したのか不明ですが、終息していったそうです。

コロナもそんな感じに終息するのかな?

 

4.歴史小説って良いもんだな

 

歴史を小説で触れると、フィクション部分もありますが、理解が進みますね。

また、先人の行動など、いろいろなことが学べます。

本書では、感染が拡大する中での、人々の行動や心の変化も、勉強になりました。