編集者の読書感想文

書籍編集者の読書感想文です。良書を出版するために、ベストセラーのヒントをつかむために、書籍を読み漁っています。編集者としての気づきや気に入ったトピックなどをシェアします。たまに、話題がずれますが。

今の情勢を読んでいるよう『見知らぬ明日』(ハルキ文庫)の読書感想文

小松左京(著) 

1998年8月出版/713円/文庫判/1色刷り/表紙カバーあり/

296頁/右開き/文字は縦組み/1ページ40文字×17行

 

<出版社>

http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=2057

 

Amazon

 

※今は、紙の書籍での販売はないようです。

電子書籍で読めるようですが、私は紙で読みたかったので、図書館で借りました。 

 

 

以前に感想を書いた小松左京の『復活の日』。

最近、新型コロナウイルス感染症を予言しているようだと話題になっていました。

  

editorbookreview.hatenablog.com

 

そして次に予言が当たるのは、この本ではないかという話を聞き、早速、読んでみました。

 

<目次> 

 

1.本の概要

 

新疆ウイグル自治区付近で何やら紛争が起きた、というところから、話はスタートします。

新疆ウイグル自治区付近は、中国の下、周りからあまり状況がよく見えません。

その紛争の事実を確かめるべく、アメリカや隣接のソ連で、情報収集を始め、どうやら中国と宇宙人が紛争していると情報をつかみます。

世界が協力して、宇宙人に立ち向かっていかないといけませんが、各国の思惑で、なかなかうまくまとまらず、事が進みません。

個別に和平交渉を試みる国、戦う国…。

その中、戦いも激化し、中国以外にも宇宙船が見られるようになります。

ようやく各国がまとまり、宇宙人との戦い方を検討し始めます。

 

2.今の世を、読んでいる錯覚に陥る

 

宇宙人襲来の話ではありますが、宇宙人を描かずに話が進んでいきます。

そのため「見えない敵との対峙、戦い」という感じが出ています。

それが、今のコロナの情勢を彷彿させました。

 

この本は、約20年前に書かれた書籍です。

ストーリーは世界情勢や国際政治を踏まえて展開しますが、アメリカ、ソ連、中国などの駆け引きが、今とあまり変わらないのだなと痛感します。

 

また、新疆ウイグル自治区周辺が原爆実験場だったことも知り、驚きました。

 

いろいろな社会情勢を踏まえたストーリーで、現在史のお勉強にもなりました。

 

3.ストーリーの締めくくり方

 

余韻を持たせる終わり方です。

今と情勢とリンクして、余韻が広がりまくりです。

こういう終わり方も、おもしろいですね。