編集者の読書感想文

書籍編集者の読書感想文です。良書を出版するために、ベストセラーのヒントをつかむために、書籍を読み漁っています。編集者としての気づきや気に入ったトピックなどをシェアします。たまに、話題がずれますが。

美術館初心者にお勧め『マンガでわかる「日本絵画」の見かた』(誠文堂新光社)の読書感想文

矢島 新(監)

2017年4月出版/1760円(税込み)/A5判/カラー刷り/表紙カバーあり/

本文14Q/224頁/右開き/文字は縦組み/

柱:右ページ、〇〇時代/左ページ、章タイトル、ツメあり

 

<出版社>

www.seibundo-shinkosha.net

 

Amazon

 

先日、大阪歴史博物館で行われている『あやしい絵展』を見に行きました。

「あやしい」を切り口に、絵画や版画を集めて、展示されています。

明治、大正時代の書籍や雑誌の挿絵も展示されていて、職業柄、ワクワクしました。

 

美術館は、コロナ禍でも、比較的安心なところではないかと思っています。

ベラベラと大声で話す人も、あまりいません。

また、空いている時間帯を狙っていくと、密にならず、なお安心ですね。

 

そのため、コロナが流行しだしてから、おでかけは美術館ぐらい。

すごく好きな場所の一つですが、日本絵画には疎い私。

『あやしい絵展』より、日本絵画の奥深さを感じ、ますます日本絵画のことを知りたくなりました。

 

そんなとき、ミュージアムショップへ行くと、この本が。

衝動的に、買ってしまいました(汗)。

 

<目次>

 

1.本の構成

 

第1章 祈りの絵

第2章 ストーリーを描く

第3章 モノクロの絵 vs 華麗な絵

第4章 洗練された絵

第5章 個性的な絵

第6章 庶民が購入した絵

第7章 リアリズムに挑んだ絵

第8章 日本らしさを目指した絵

第9章 自己表現に徹した絵

と展開されており、押さえておくべき日本絵画とその特徴が載っています。

 

また、1テーマ、1絵画を、2ページで紹介しています。

わかりやすい構成ですね。

パラパラとページをめくるだけで、美術鑑賞した気分になります。

 

2.日本画は、西洋画より表現の幅が広い?!

 

今まで、西洋画を展示した美術館へ行くことが多かったのですが、西洋画は宗教色の強い絵が多いなと思っていました。

 

日本でも、仏教を題材にした絵はありますが、そのほかのジャンルが多種多様です。

 

源氏物語を題材にしたもの

風景、街を描写したもの

動植物を描写したもの

 

漫画っぽいタッチのもの

写実っぽいタッチのもの

 

水墨画で描いたもの

金などを使った豪華なもの

絵だけでなく文字と組み合わせたもの

 

本書より、本当、いろいろあるんだなぁと感心しました。

 

3.日本絵画を身近に感じた絵画

 

「売れるカワイイの原点 円山応挙の犬」

「欲望を描く技術 菱川師宣の浮世絵」

「支持された女性美 喜多川歌麿の浮世絵」

 

この部分を読み、昔も、カワイイものや、週刊誌に載るようなグラビア的なものは、人気があったのだなぁと感じました。

 

いつの時代も同じですね。急に、江戸時代などが身近に感じました。

 

4.本書を片手に美術館へ

 

本書を読むと、日本絵画の全体像がつかめます。

その知識を持って、美術館に行くと、さらに楽しめるのだろうなと感じました。 

 

サブタイトル「美術展がもっと愉しくなる!」。

そのとおりですね。

 

また、本書の最後に、「もっと日本絵画を楽しむ 美術館・所蔵先ガイド」が載っています。

それを参考にしながら、 美術館をめぐってもよさそうです。

このような付録は良いですね。

 

「美術館って、どうやって楽しめばいいの?」と思う方は、ぜひ。

本書を読むと良いと思います。