編集者の読書感想文

書籍編集者の読書感想文です。良書を出版するために、ベストセラーのヒントをつかむために、書籍を読み漁っています。編集者としての気づきや気に入ったトピックなどをシェアします。たまに、話題がずれますが。

『幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えⅡ』(ダイヤモンド社)の読書感想文

岸見一郎/ 古賀史健(著) 

2016年2月出版/1650円(税込み)/四六判/1色刷り/表紙カバーあり/

本文14Q/296頁/右開き/文字は縦組み/1ページ43文字×16行

柱:左ページの下に、章番号(第一部等)と端的な概要(例:アドラーと教育について、与えることについて等)

 

<出版社>

www.diamond.co.jp

 

Amazon

 

大ベストセラーの『嫌われる勇気』の続編。

タイトルに惹かれ、手に取りました。

 

登場人物は、前作と同様、哲人と青年。

この二人の会話のやり取りで、話は進んでいきます。

青年の口調は、少し苦手ですが、アドラー心理学の理解が深まりました。

  

<目次>

 

1.アドラー心理学モンテッソーリ教育に通ずる!?

前作から3年が経ち、教育者となった青年は、学級崩壊の憂き目にあいます。

その原因はアドラー心理学を実践したからだと、青年は激怒し、哲人のもとを訪ねます。

そこで、教育論の議論を戦わせていきます。

 

読んでいて「あれ? どこかで聞いたような?」となりました。

そうです。先日読んだ本、モンテッソーリ教育と似ているではありませんか?

 

editorbookreview.hatenablog.com

 

例えば、アドラー心理学

 

教育とは「介入」ではなく、自立に向けた「援助」である

 

自分の人生は、日々の行いは、すべて自分で決定するものなのだと教えること。そして決めるにあたって必要な材料―たとえば知識や経験―があれば、それを提供していくこと。それが教育者のあるべき姿

 

と説いています。

 

一方、先日のブログにも書きましたが モンテッソーリ教育は、以下のとおりです。

モンテッソーリ教育の目的は、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」こと 

 

モンテッソーリ教育は、教師(大人)の価値観で一方的に教え込もうとするのではなく、子どもの興味や発達段階を正しく理解し、子どもが触ってみたい、やってみたいと思う環境を適切に用意し、その環境と子どもを「提示」などによって結びつけ、子どもの自発的活動を促します。

(公共財団法人 才能開発教育研究財団のHPより)

 

似ていますよね。

 

気になったので、Wikipediaで、アドラー心理学のアルフレッド・アドラーモンテッソーリ教育マリア・モンテッソーリのページを見ますと・・・。

同じ1870年生まれということがわかりました。

しかも、モンテッソーリはイタリア出身、アドラーオーストリア出身とお隣の国同士。

このような考え方が、この時代に流行っていたのかな?

 

2.愛する勇気を持とう

本書は、幸せになる勇気とは、愛する勇気であると伝えています。

最近、恋愛ドラマを全く見なくなり「愛なんて、何ぞや」と思う日々。

私も青年と同様、哲人に諭された気分です。

 

以下は、哲人のお言葉。一緒に諭されてはどうでしょうか!?

 

愛は難しい!?

意思の力によって、なにもないところから築き上げるものだからこそ、愛のタスクは困難なのです。

  

愛の技術とは

彼が一貫して説き続けたのは能動的な愛の技術、すなわち「他者を愛する技術」だったのです。

  

愛とは「ふたりで成し遂げる課題」である。しかしわれわれは、それを成し遂げるための「技術」を学んでいない。

 

愛=幸せをつかむために

「わたしの幸せ」を突き詰めていくと、結果として誰かの幸せにつながっていく。

 

ひたすら信じ、ひたすら与える利他的な態度によって、交友の関係は生まれます。

 

ほんとうの愛を知ったとき、「わたし」だった人生の主語は、「わたしたち」に変わります。

 

われわれは愛によって「わたし」から解放され、自立を果たし、ほんとうの意味で世界を受け入れるのです。

 

他者を愛することによって、ようやく大人になる

 

誰かを愛するということはたんなる激しい感情ではない。それは決意であり、決断であり、約束である。

 

われわれは他者を愛することによってのみ、自己中心性から解放されます。他者を愛することによってのみ、自立を成しえます。そして他者を愛することによってのみ、共同体感覚にたどりつくのです。

 

能動的に他者を愛し受け入れることが、幸せになるということだそうです。

疑い深い私は、そこに至るまで勇気がいりそうです。

まさに、タイトルどおり「幸せになる勇気」が必要のようです。

  

3.今後の本づくりで参考になる点

最後に、個人的な気づき。

 

・前作と同様、目次だけで8ページ、茶色の色紙を使用。1色刷りの場合、紙を変えることで良いアクセントになりますね。

・対話形式は、読みやすいし、頭に入りやすい。

 

いつか、このような形式を取り入れた書籍をつくってみようかな。