編集者の読書感想文

書籍編集者の読書感想文です。良書を出版するために、ベストセラーのヒントをつかむために、書籍を読み漁っています。編集者としての気づきや気に入ったトピックなどをシェアします。たまに、話題がずれますが。

『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』(ディスカヴァー21)の読書感想文

島村華子(著) 

2020年4月出版/1650円(税込み)/

四六判/2色刷り/表紙カバーあり/付録あり/

本文14Q/200頁/右開き/文字は縦組み/1ページ38文字×15行

柱:左上 章タイトルのみ

 

<出版社> 

d21.co.jp

 

Amazon

 

サブタイトルが『モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る』です。

 

皆さん、「モンテッソーリ教育」って、ご存じですか?

 

私は、あまりよく知りませんでした。

その中、姪っ子が、モンテッソーリ教育を行う幼稚園に通い出しました。

姪っ子の様子を見ていると、良い教育なんだろうなと感じます。

そこで、どういう教育が行われているのか興味を持つようになり、本書を手に取ってみました。

 

<目次>

 

1.モンテッソーリ教育とは何か

本書は、残念ながら、「モンテッソーリ教育とは何か?」といった私の問いに答えるには不十分でした。

 

そのため、モンテッソーリ教育をインターネットで調べてみました。

 

すると、公共財団法人 才能開発教育研究財団のHPに、次の記載がありました。

sainou.or.jp

 

モンテッソーリ教育は、医師であり教育家であったマリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法

 

・「子どもには、自分を育てる力が備わっている」という「自己教育力」の存在がモンテッソーリ教育の前提

 

モンテッソーリ教育の目的は、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」こと

 

モンテッソーリ教育は、教師(大人)の価値観で一方的に教え込もうとするのではなく、子どもの興味や発達段階を正しく理解し、子どもが触ってみたい、やってみたいと思う環境を適切に用意し、その環境と子どもを「提示」などによって結びつけ、子どもの自発的活動を促します。

 

何だか、難しそうですね。

 

しかし本書は、そのちょっと難しそうなモンテッソーリ教育を、「ほめ方」「しかり方」にフォーカスをあてて、解説されていました。

 

ほめ方やしかり方は、日常に起こりうる行為です。そこを入り口にして、モンテッソーリ教育を知るという感じです。

 

読後、私はモンテッソーリ教育とは、子どもを1個人として認め、接することかなと感じました。

 

2.ほめ方・しかり方のコツ

本書では、「えらい」「上手」「すごい」や「ダメ」「いけない」は悪影響だと言っています。

普段よく使う言葉ですが、教育上、よろしくないとは!? ビックリです。

 

では、どのように言うと良いのでしょうか? 本書には・・・

 

・発表会などがうまくいったとき

「すごいよかったよ!」は、×

「毎日たくさん練習していたもんね」は、〇

 

・横断歩道を渡れたとき

「お利口さんだね」は、×

「ちゃんと右と左を忘れずに渡れたね」は、〇

 

・ジュースをこぼしてしまったとき

「なんでそうやって、いつもこぼすの!」は、×

「どうしたらこぼれずに済むかな?」は、〇

 

・部屋を散らかしているとき

「だらしない! 早く片付けなさい!」は、×

「お洋服をたたむの、一緒にやってみようか」は、〇

 

だそうです。

 

要するに、行為に対するプロセスを、具体的に説明して、サポートする姿勢が良いようです。

 

また、子どもとの接し方として、子どもとぶつかるのは

1)批判する

2)責める

3)文句を言う

4)脅す

5)罰する

6)目先の褒美で行動をコントロールする

7)がみがみ小言を言う

として、それをせずに、子どもとつながるには、

1)応援する

2)励ます

3)傾聴する(アクティブ・リスニング)

4)信頼する

5)尊重する

6)違いを話し合う

7)受け入れる

をすることが良いと伝えています。

 

なお、アクティブ・リスニングのコツとして、 

1)ボディ・ランゲージ(表情・アイコンタクト・姿勢)

2)無条件の受容精神(興味・態度・信頼・分離)

3)反映力(反復・言い換え・明確化・要約)

4)コミュニケーションのバリケードに気をつける

を挙げています。

 

そのうえで、ほめるときは、

1)成果よりも、プロセス(努力・姿勢・やり方)をほめる

2)もっと具体的にほめる

3)もっと質問する

𠮟かるときは、

1)「ダメ!」「違う!」をできるだけ使わない

2)結果ではなく努力やプロセスに目を向ける

3)好ましくない行動の理由を説明する

4)親の気もちを正直に伝える

を心がけるそうです。

 

子どもだけでなく、大人の世界でも通じそうなお話ですね。

本書は、理解を助けるために、たくさんの具体例を挙げておられ、イメージがわきやすかったです。

 

3.切り口として、参考になった点

・コミュニケーション本は、良い例・悪い例をしっかり具体的に挙げるとわかりやすい

・難しそうな題材は、理解しやすそうな、実践できそうなポイントに絞って、展開するのも良い