編集者の読書感想文

書籍編集者の読書感想文です。良書を出版するために、ベストセラーのヒントをつかむために、書籍を読み漁っています。編集者としての気づきや気に入ったトピックなどをシェアします。たまに、話題がずれますが。

『この一冊で全部わかる ビジネスモデル』(SB Creative)の読書感想文

根来龍之(著)、富樫佳織(著)、足代訓史(著) 

2020年11月出版/1760円(税込み)/A5判/2色刷り/表紙カバーあり/

本文14Q/376頁/左開き/文字は横組み/1ページ37文字×31行

 

<出版社>

www.sbcr.jp

 

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新型コロナがきっかけで、ゲーム・チェンジが起きると言われています。

GWの時間あるときの勉強に、本書を選びました。

経営学を学んでなくても、最近のビジネスモデルがわかりました。 

今後のゲーム・チェンジにそなえて、また新規ビジネスを起こすことを考えている人は、読むのをお勧めします。

 

 <目次>

 

1.内容

まず、「第一部 ビジネスモデルとは」では、ビジネスモデルの概要とビジネスモデルの検討方法がわかります。

 

ビジネスモデルを検討するための「戦略モデルの構成要素」として

Ⅰ.顧客、顧客の活動、提供価値(機能)

Ⅱ.機能、魅力(、価格づけ・納期)

Ⅲ.ライバル・代替品、製品

Ⅳ.仕組み(機能や魅力を実現する資源ー活動システム)

Ⅴ.コンテキスト

を挙げています。

 

書籍の企画をしていますので、Ⅰ~Ⅲは、商品企画と同じだなと感じました。 

また、ⅣとⅤに関しては、ここがビジネスモデルのキモではないかと感じました。

 

以下、仕組みとコンテキストについての引用です。

 

Ⅳ.仕組みについて

・ビジネスの仕組みは、自社が持つ「資源」と自社が行う「活動」の組み合わせから成る

・資源は有形のものだけでなく、ブランドや知名度といった無形のものや、組織の能力も含まれる

・活動とは、自社が持つ資源を組み合わせて活用するプロセスのことである

・「仕組み」こそが、模倣困難性の源泉である

 

Ⅴ.コンテキストについて

ビジネスが成立するか否かを決める前提を「コンテキスト」と呼びます。

・自社のビジネスがライバルまたは代替品よりも顧客にとって魅力的か

・顧客が自社を選ぶ際の基準となる魅力を、資源と活動によって隔離できるか

・このビジネスは、自社を追求する価値や社会が求める価値観にあったものか

 

次に、「第二部 ビジネスモデル大図鑑」では、戦略モデル、オペレーションモデル、収益モデル、コンテキストをテーマに掲げ、解説をしています。

 

テーマごとに基本コンセプトを紹介した上で、該当する企業を挙げながら解説されていますので、イメージがわき、わかりやすいです。

 

読むときは、自分にとって活用できるモデルは何か、考えながら読むと良いかもしれません。

 

また、世の中の仕組みもよくわかってきます。

 

なお、私は、コンテキストで紹介されていたBOPモデルを読み、今話題のSDGsがわかった気がしました。

 

BOPモデルとは

「Best of the(economy) Pyramid 」の略語で、年間所得3000ドル未満で生活している新興国低所得者層をターゲットとしてビジネスを展開する考え方

であり、そして、

貧困層の所得を増やす仕組みを作り出して継続的な消費を生み、持続性のある市場を目指す

そうです。

 

本書によりますと、 BOP層は世界人口の72%(約40億人)おり、市場規模は5兆ドル程度と推定されています。

 

今まで、企業がSDGsに積極的に取り組んでいると聞いていましたが、いまいち、どういう収益を生み出すのかイメージがつかめませんでした。

しかし、このパートを読み、SDGsの先に大きな市場があることも理解できました。

 

最後に、「第三部 ビジネスモデルの作り方」では、既存ビジネスの革新ワークショップ、新規ビジネスの創造ワークショップとして、前者はキーエンスを例に、後者はAirbnbを例に、どのような思考でビジネスモデルを検討していくべきか提示されています。

 

全体的に整理されたわかりやすい内容で、読み終わった後も検索しやすい構成でした。

 

2.デザイン 

デザインは、同じ出版社から出ている『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』と似たデザインです。

 

editorbookreview.hatenablog.com

 

2色刷りですが、パートごとに色分けをされています。

2色刷りですが、フルカラーの書籍の印象を与え、楽しいですね。

また、このような色分けは検索性が高いので、本書のような事典的な書籍にもあいますね。