先日、ご紹介した書籍『職業としての「編集者」』。
editorbookreview.hatenablog.com
この著者が、かんき出版出身の方なので、かんき出版のHPを見てみました。
<目次>
1.会社概要
会社名:株式会社かんき出版
所在地:〒102-0083 東京都千代田区麹町4-1-4 西脇ビル
設立:1977年
代表者:代表取締役社長 齊藤 龍男
出版物:
『中学校3年間の英語が1冊でしっかりわかる本』
『英単語の語源図鑑』
『東大の先生!文系の私に超わかりやすく数学を教えてください!』
『はじめての人の簿記入門塾―まずはこの本から!』
など
紀伊國屋書店発表 「2020年 出版社別 売上げベスト100」:ランク外
https://www.shinbunka.co.jp/news2021/01/kinokuniya2020best100.pdf
2.ジャンル
インターネットで「かんき出版」で調べますと、
かんき出版: ビジネス書・実用書の専門出版社
と表示されます。
また、HPの「書籍ジャンル一覧」を見ますと、
・経済・政治・社会
・流通・マーケティング
・会計・税務・法務
・生活・実用
・自己啓発・人文科学
・マネー・投資
・外国語・資格
・ビジネススキル・キャリア
・学習参考書
と並んでいます。
3.創業者
HPに、創業者のページがありました。創業者は、編集者の神吉晴夫氏です。
神吉晴夫氏は、講談社で編集者人生をスタートさせ、その後、光文社の創立に関わっておられます。
また、光文社時代には、新書判の「カッパ・ブックス」シリーズや「女性自身」を創刊し、社長も務められています。
そして、お亡くなりになる直前に、かんき出版を立ち上げられました。
2つの出版社を立ち上げておられるのは、すごいですね。
しかも、その2社とも、今でも、出版業界で名だたる会社です。
注目すべきは「神吉晴夫氏のベストセラー作法十か条」です。
かんき出版は、これを信条に、出版物と向き合っておられるようです。
1.読者の核を20歳前後に置く
2.読者の心理や感情のどういう面を刺激するか
3.テーマが時宜を得ている
4.作品とテーマがはっきりしている
5.作品が新鮮であること。テーマはもちろん、文体や造本に至るまで今までお目にかかったことがないという新鮮な驚きや感動を読者に与える
6.文章が読者の言葉遣いであること
7.芸術よりモラルが大事
8.読者は正義が好き
9.著者は読者より一段高い人間ではない
10.編集者は常にプロデューサー・企画制作者の立場に立たねばならない。先生の原稿を押し頂くだけではダメ
私も、参考にさせていただきます。
また、このページに、神吉晴夫氏は
著者の原稿を一字一句そのまま出版することが当たり前だった時代において、著者と出版社との共同作業による本作りを実行し、戦後最大の出版プロデューサーと呼ばれました。
とありました。
以前、引退された元編集者と話すことがあり、話がかみ合わず、頭が混乱したことがありました。
その方は、編集者時代は「著者の原稿には手を加えない」「そのまま出版するものだ」とおっしゃっていました。
私は、著者と話を密にして、よりよくなるように原稿をブラッシュアップし、また表紙やタイトルなども熟考しています。
この文章を読み、そういう時代があったんだなと腑に落ちました。
また、かんき出版の編集スタイルを読み、私自身、少し安心しました。
4.教育事業部
会社概要を見ますと、
1.図書の出版および販売
2.委託による図書の編集出版
3.通信教育事業
4.各種セミナー・講演会
と記載があります。
また、採用情報を見ますと、営業部・編集部・教育事業部があるのがわかります。
編集部
採用情報に「スタッフインタビュー」が載っていました。
1人で、企画から制作・出版まで担当されているのかなと思いました。
また、「1日のスケジュール」より、書籍にしっかり向き合える時間があるのかなと感じました。
〔2020年4月~2021年3月の出版物は85冊で、従業員数は47名(編集部員数は不明)です。〕
教育事業部
仕事内容は、
首都圏を中心に法人顧客を相手に、社員教育プログラムを企画・販売する仕事
とのこと。
本制作をしていると、著者から「セミナーや講演会をしたい」というお話がくることがあります。
たしかに、書籍をベースに、著者とセミナーの橋渡しをするような仕事は、事業として成り立ちますね。参考になりました。
今までは、会場をおさえたり、告知をしたりなど、コストや労力を考えると、その橋渡しに腰が引けていましたが、最近、ウェビナーも珍しくなくなり、Clubhouseといったツールも出てきていますので、コストや労力など、以前よりかからないのかも!?
HPを見ていますと。「著者一覧」というページがあります。
著者のマネジメント業務もされているのかな? 気になるところです。
5.まとめ
・会社の方向性をしっかり示す言葉があるのはいいな。
・著者とセミナーの橋渡しは、販促の一つとして、チャレンジしても良いかも。