編集者の読書感想文

以前は、雑誌の編集をし、今は、書籍の編集をしています。 出版業界を盛り上げていきたい気持ちで、編集道をまい進しています。良書を出版するために、日々、書籍を読み漁っている中から、編集者としての気づきを綴ります。

『気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』(飛鳥新社)の読書感想文

武田 友紀(著)

2018年7月出版/1204円+税/四六判/2色刷り/表紙カバーあり/

本文14Q/240頁/右開き/文字は縦組み/1ページ38文字×15行/

柱:章タイトルだけ、左ページ下、ノンブル横

「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本 | 株式会社 飛鳥新社

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人に勧められて、手にとりました。帯に「50万部突破」とあり、人気があるんですね。

 

本書によりますと、「繊細さん」とは「アメリカの心理学者エイレン・アーロン博士が唱えたHSP(Highly Sensitive Person)」とのことです。

 

ある企業でも研修などで、HSPの診断テスト(例:https://www.hsptest.jp/)を取り入れているところもあると聞きました。

 

HSPとは何なのか、しっかり押さえていきたいところです。

 

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<目次>

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1.企画・内容

本書は、HSP専門カウンセラーの著者が、HSPについて解説しています。

 

まず、

「第1章 繊細さんがラクになれる基本」で、

HSPとはどのような人なのか、定義等が載っています。

 

次に、

「第2章 毎日のストレスを防ぐカンタンなワザ」

「第3章 人間関係をラクにする技術」

「第4章 肩の力を抜いてのびのび働く技術」で、

HSPが日々の生活でストレスを減らし、自分らしく生きる方法を紹介しています。

 

最後に、

「第5章 繊細さんが自分を活かす方法」で、

HSPと理解した上で、今後、どう生きていくべきか提言しています。

 

本書を読んで、日本人の多くが「繊細さん」なのではないかと思いました。

日本の伝統工芸品や芸術作品を見ても、細部までこだわって作りこまれていますし、外国人からは「日本人は丁寧な仕事をしている」と言われたりします。

 

「日本人≒繊細さん」

 

だから、ベストセラーになったのではないかと思ったりしました。

 

また、悩みを解決する書籍はたくさんありますが、潜在的に多くの日本人が当てはまる悩みを見い出し書籍化されたのは、すごいなと感心しました。

私自身、もっとリサーチ力を磨かねばと痛感しました。

 

なお、私ですが、読んでいて共感できる部分はたくさんありました。

私も「繊細さんかも!?」と思いましたが、HSPの診断テストをしますと、そこまで深刻なHSPではありませんでした。

 

ただ、読んでいる最中、「昔は、あんなことで傷ついていたな、あんなことで怒っていたな」など思い浮かび、私の場合、生きていく中で、HSPを自分なりに克服していったのではないかなと思いました。

 

そんなHSPの性質が少し残る私が、今後の生活に役立つかなと思った内容を、以下に備忘録として書き留めます。

 

感覚を鈍らせたり心を閉ざすのではなく、まずは刺激を物理的に防ぐこと

 

「本当の自分」を抑えて殻をかぶっていると、その「殻」に合う人が集まってきてしまう

 

相手の話を聞いていて疲れを感じたら、その人はテレビ画面の向こうの人だとイメージ 

 

「気づく」と「対応する」を分ける 

 

「こうしたい」という思いを、何よりも大切にすること 

 

繊細さんが充実感を感じながら、幸せに働くための条件(中略)

1.想い…やりたいこと、いいなと思えること

2.強み…得意なこと

3.職場…職場環境や労働条件

これらが満たされるところに、幸せに活躍できる仕事=適職があります。 

 

2.デザイン・組版

本文は2色刷りで、黒とやさしい水色です。

また、上側に、3~3.5㎝程度の余白があります。ゆったりとした組み方ですね。

 

色といい、組み方といい、読み手(本書はHSPの読者)を意識してか、ストレスを与えないよう配慮されたデザインに感じました。

 

あと、各章の最後に「繊細さんストーリー」が載っています。解説文と例文がしっかり分かれています。

他の本で、よく解説文の中に多くの例が入ることがありますが、読んでいて疲れることがあります。

この点においても、ストレスなく読めて良かったです。

3.まとめ

・多くの当てはまる悩みで、まだ顕在化していないものがある。

・リサーチ力を磨かねば!

・内容を考慮して、色や組み方をするべき。