編集者の読書感想文

以前は、雑誌の編集をし、今は、書籍の編集をしています。 出版業界を盛り上げていきたい気持ちで、編集道をまい進しています。良書を出版するために、日々、書籍を読み漁っている中から、編集者としての気づきを綴ります。

『博報堂スピーチライターが教える 5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』(大和出版)の読書感想文

ひきた よしあき(著)

2019年4月出版/1500円+税/四六判/2色刷り/表紙カバーあり/

本文14Q/208頁/右開き/文字は縦組み/1ページ38文字×15行/

柱:章(Day)タイトルだけ、左ページノンブル横

5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本-ひきたよしあき -大和出版

 --------------------------------------------------------------

気に入って、何回か読み返しています。

 

そもそも本書は、タイトルに惹かれて、手にとりました。

博報堂」「5日間」という言葉が効いていますね。

 

また立ち読みしますと、デザインも凝っています。

じっくり読みたくなりましたので、購入しました。

 

--------------------------------------------------------------

<目次>

 

 --------------------------------------------------------------

 

1.企画・内容

構成も、凝っています。

 

ある会社の広報部の新人(山崎 大)が、広告会社に勤めながら、大学でも教えている先生に、いろいろ相談していくといった、根幹となるストーリーがあります。

 

基本は「新人からの質問に対して、先生が答える」メールのやりとりになっていて、

 

Day1 頭にあるものを知る

Day2 考える習慣をつける

Day3 論理的に発想する力をつける

Day4 真に伝わる表現力を磨く

Day5 言葉に説得力を持たせる

 

と、話が広がっています。

 

よくQ&Aを切り口にした書籍を見かけますが、本書は、質問に「question」、答えに「method」を頭につけています。

単純に、Q&Aとしていないのも凝っていますね。

 

また、Q&Aが続く中、途中に「著者の解説」がいくつか入っています。

ストーリー仕立てなので、ぼやけそうな大事なことを、著者の言葉で、しっかりとまとめてくれているページです。

こういうページがあると、あとで振り返りやすいですね。

 

読後、Day1~5をそのまま実践していくと、良い宣伝文が書けそうな気がしました。

特に、著者が博報堂で働いているとのことで、より説得力が増します。

 

なお、広報としての文章作成はもちろん、私は、企画を立てる際に、本書の内容は活かせそうだと感じました。

 

例えば、

「〇〇という考え方」は、「言葉の戦略化」と名づけていた。(中略)どんどん新しい仮説を立てていくイメージだね。(中略)こうすると、狙いがハッキリしてくる。

狙いとは、「切り口」ということだ。「コンセプト」の意味だ。

「〇〇という考え方」を口グセにするだけで、戦略脳が作れるんだ。

 

トヨタ生産方式”の生みの親である元副社長の大野耐一さんが考案した「5つのWHY」(中略)「なぜ?」に的確に答えるためには、大くん自身が何度も「なぜ?」と問う必要がある。それも5回問い続けるんだよ。(中略)5つのWHYで核心に迫れば、言い逃れできない答えが見つかる

 

ドイツの哲学者ヘーゲルの「弁証法」という考え方(中略)「意見」と「反対意見」を調整して、三角形の頂点に「高い次元の意見」を作る。(中略)高い次元の意見を考えることが、弁証法的なものの考え方なんだ。

 

こういう思考も、仕事に活かしていきたいと思いました。

 

2.デザイン・組版・印刷・製本

黄色と黒色の2色刷りです。黄色は、華やかで若々しい感じが出ますね。

本書は、広告部の新人が主人公ですので、この色の選択は良いなと思いました。

 

また見返しの紙も、黄色できれいです。しかも、少し透け感があります。

何という紙なんだろう? 使ってみたい紙でした。

 

あと、本文の文字の書体も、ストーリー部分と著者の解説部分は、異なった書体を使っており、読んでいる最中、どの部分を読んでいるか迷わなくてよかったです。

 

なお、書体は、おそらく、ストーリー部分は明朝、著者の解説部分はUDゴシックかと思います。

 

3.まとめ

・その道のプロの話は、説得力がある。

・Q&Aの切り口も、アレンジすれば楽しい構成になる。

・コンセプトが違うなら、本文の書体を変えると良い。

 

『気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』(飛鳥新社)の読書感想文

武田 友紀(著)

2018年7月出版/1204円+税/四六判/2色刷り/表紙カバーあり/

本文14Q/240頁/右開き/文字は縦組み/1ページ38文字×15行/

柱:章タイトルだけ、左ページ下、ノンブル横

「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本 | 株式会社 飛鳥新社

-------------------------------------------------------------

人に勧められて、手にとりました。帯に「50万部突破」とあり、人気があるんですね。

 

本書によりますと、「繊細さん」とは「アメリカの心理学者エイレン・アーロン博士が唱えたHSP(Highly Sensitive Person)」とのことです。

 

ある企業でも研修などで、HSPの診断テスト(例:https://www.hsptest.jp/)を取り入れているところもあると聞きました。

 

HSPとは何なのか、しっかり押さえていきたいところです。

 

--------------------------------------------------------------

<目次>

--------------------------------------------------------------

 

1.企画・内容

本書は、HSP専門カウンセラーの著者が、HSPについて解説しています。

 

まず、

「第1章 繊細さんがラクになれる基本」で、

HSPとはどのような人なのか、定義等が載っています。

 

次に、

「第2章 毎日のストレスを防ぐカンタンなワザ」

「第3章 人間関係をラクにする技術」

「第4章 肩の力を抜いてのびのび働く技術」で、

HSPが日々の生活でストレスを減らし、自分らしく生きる方法を紹介しています。

 

最後に、

「第5章 繊細さんが自分を活かす方法」で、

HSPと理解した上で、今後、どう生きていくべきか提言しています。

 

本書を読んで、日本人の多くが「繊細さん」なのではないかと思いました。

日本の伝統工芸品や芸術作品を見ても、細部までこだわって作りこまれていますし、外国人からは「日本人は丁寧な仕事をしている」と言われたりします。

 

「日本人≒繊細さん」

 

だから、ベストセラーになったのではないかと思ったりしました。

 

また、悩みを解決する書籍はたくさんありますが、潜在的に多くの日本人が当てはまる悩みを見い出し書籍化されたのは、すごいなと感心しました。

私自身、もっとリサーチ力を磨かねばと痛感しました。

 

なお、私ですが、読んでいて共感できる部分はたくさんありました。

私も「繊細さんかも!?」と思いましたが、HSPの診断テストをしますと、そこまで深刻なHSPではありませんでした。

 

ただ、読んでいる最中、「昔は、あんなことで傷ついていたな、あんなことで怒っていたな」など思い浮かび、私の場合、生きていく中で、HSPを自分なりに克服していったのではないかなと思いました。

 

そんなHSPの性質が少し残る私が、今後の生活に役立つかなと思った内容を、以下に備忘録として書き留めます。

 

感覚を鈍らせたり心を閉ざすのではなく、まずは刺激を物理的に防ぐこと

 

「本当の自分」を抑えて殻をかぶっていると、その「殻」に合う人が集まってきてしまう

 

相手の話を聞いていて疲れを感じたら、その人はテレビ画面の向こうの人だとイメージ 

 

「気づく」と「対応する」を分ける 

 

「こうしたい」という思いを、何よりも大切にすること 

 

繊細さんが充実感を感じながら、幸せに働くための条件(中略)

1.想い…やりたいこと、いいなと思えること

2.強み…得意なこと

3.職場…職場環境や労働条件

これらが満たされるところに、幸せに活躍できる仕事=適職があります。 

 

2.デザイン・組版

本文は2色刷りで、黒とやさしい水色です。

また、上側に、3~3.5㎝程度の余白があります。ゆったりとした組み方ですね。

 

色といい、組み方といい、読み手(本書はHSPの読者)を意識してか、ストレスを与えないよう配慮されたデザインに感じました。

 

あと、各章の最後に「繊細さんストーリー」が載っています。解説文と例文がしっかり分かれています。

他の本で、よく解説文の中に多くの例が入ることがありますが、読んでいて疲れることがあります。

この点においても、ストレスなく読めて良かったです。

3.まとめ

・多くの当てはまる悩みで、まだ顕在化していないものがある。

・リサーチ力を磨かねば!

・内容を考慮して、色や組み方をするべき。

 

 

『超雑談力』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の読書感想文

五百田 達成(著)

2019年12月出版/1300円+税/B6判?/2色刷り/表紙カバーあり/

本文14Q/256頁/右開き/文字は縦組み/1ページ40文字×16行/

柱:章タイトルだけ、左ページ天側

d21.co.jp

--------------------------------------------------------------

 

最近、「雑談」をテーマにした書籍が多いですね。

その中で本書は、表紙カバーがPOPで、チラシっぽくにぎやかで、楽しい雰囲気が出ていました。

他の「雑談」本に比べて、おもしろそうな雰囲気がありましたので、手にとりました。

 

--------------------------------------------------------------

<目次>

--------------------------------------------------------------

 

1.企画・内容

まず、本を開くと、雑談力がどれぐらいあるのか判定する「チェックシート」が載っています。

導入部分で、このようなおまけ的な紙面は、わくわくした気持ちを高めてくれて良いですね。

 

次に、構成は、それぞれのタイトルが、対比形式になっています。

例えば、「ルール1 

×がんばっておもしろい話をしようとする 〇ただ会話のラリーを続ける」

「ルール2

×情報交換をする 〇気持ちのやりとりをする」

といった感じです。

本書は、このようなタイトルと解説が続いていきます。

 

最近、このような対比形式の本をよく見かけます。

特に、本書の著者の本は、このような対比形式が多いようです。

(例:『話し方で損する人 得する人』『察しない男 説明しない女』など)

 

個人的に、このような対比形式は、わかりやすく楽しくて、好きです。

今回も、目次にこの対比がずらっと並んだだけで、心をつかまれました。

 

内容は、タイトルを読むだけで、どういう内容かがわかり、ストレスなく軽く読み進めることができます。

本文も長すぎず、SNSのようなタッチの文章でした。

この出版社の特色ですね。

 

editorbookreview.hatenablog.com

 

ただ、本書より、私は意外と雑談力があるようです。そのため、目新しい情報はちょっと少なかったかな・・・。

 

2.デザイン

本書は、タイトルが対比形式で、大きくデザインされているので、パッと情報が拾えるデザインです。 

 

また、文字量は多くなく、紙面上、圧迫感はありません。

 

そして、表紙に、普通は帯に載せるような文言も、本のタイトルといっしょに配置されています。

(例:超カンタンな話し方のコツ満載 など)

帯の紙代も節約できますね。

また、文字のごちゃごちゃ感から内容のわくわく感につながっているような気もしました。

 

3.まとめ

・対比形式の企画は、おもしろい。

SNSっぽい文章の方が、今の時代に合っているのかも。

・帯をなくして、表紙に宣伝っぽい文句を入れても良いかも。

 

『ディスカヴァー・トゥエンティワン』ってどんな会社?

最近、SNS広告で、「ディスカヴァー・トゥエンティワン」の求人を見ました。

「完全リモートワーク」を実施されているとのこと。興味を持ち、早速HPを見てみました。

--------------------------------------------------------------

<目次>

 --------------------------------------------------------------

 

1.会社概要

会社名:株式会社 ディスカヴァー・トゥエンティワン/Discover 21, Inc.

d21.co.jp

 

所在地:東京都千代田区平河町 2-16-1 平河町森タワー 11F

設立:1985年4月

代表者:代表取締役 伊藤 守

代表作:

『超雑談力』『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』『もいもい』

『お嬢様ことば速修講座』『今日を楽しむための100の言葉』

超訳 ブッダの言葉』『99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ』など

 

紀伊國屋書店発表 「2019年 出版社別 売上げベスト100」:71位

https://www.shinbunka.co.jp/news2020/01/kinokuniya2019best100.pdf

 --------------------------------------------------------------

 

ディスカヴァー・トゥエンティワンの企業理念より抜粋。

Dis+Cover=覆いをはずす、つまり、視点を変えて、覆いを外し、それまで気付かれずに在ったものを発見すること。

Discoverという社名そのものに、わたしたちのミッション、バリュー、ビジョンのすべてが表されています。

すなわち、「21世紀の新しい価値基準を提案し、 人と組織の可能性を拓く」というミッションのもと、「視点を変える 明日を変える」という価値を提供していくことです。

 

また、沿革には、下記のような記述がありました。

「21世紀を拓く会社=DISCOVER 21」として、(中略)

現・代表取締役会長伊藤守と取締役社長干場弓子によって設立された。

 

新しいことにチャレンジできる社風だからか、「完全リモートワーク」もいち早くに実現されたのかなと思いました。

 

2.HPを見て

しっかり作りこまれたHPです。

 

HP上の書籍一覧では、

「ビジネス書」「自己啓発本」「社会・時事」「実用書」「サイエンスシリーズ」

「教育・学参・語学」「文芸・エッセイ」「手帳」「その他」

のカテゴリーが立ててありました。幅広いジャンルを手掛けておられますね。

 

読んでいて注目したのは、以下の2点です。

 

「沿革」

ここを読むだけでも、ワクワクしました。

 

設立35年ほどの会社ですが、2000年代に入ってから、

「売上の5カ年連続20~50%増大」

という期間もあるようで、勢いがある会社です。

 

この時代は、インターネットや電子書籍の波が押し寄せ、出版業界は厳しくなっていましたので、この数字は驚きました。

 

この成長の原動力は、営業力が大きいように感じました。

賞を企画したり、書店でフェアを企画したり、企業とコラボをしてみたり、海外へ進出したり・・・。

出版社の可能性を見せていただきました。

 

また、成長の基盤となる出版物では、編集者としての仕事をしっかりされている印象です。

 

・新ジャンルや新形態の書籍を作り、その先駆者となる

(例:女性向け自己啓発ビジネス書の先駆け、

 常識を打ち破った本文デザインと短くストレートな言葉の書籍)

・今後人気者になるであろう著者の発掘

(例:勝間和代氏の発掘)

など。

 

言葉では簡単に書けますが、このような編集者の仕事、なかなか難しいのです。

でも、そこがおもしろいところでもありますが・・・。

今後も、しっかりとした出版物をつくっていきたいなと思いなおしました。

 

最後に、「翻訳ものを中心とした四六判の自己啓発ビジネス書のスタート」という記述に注目しました。

私は、ここに、小さな出版社からの脱皮するヒントがあるかなと感じました。

限られた人数で、出版点数を増やしていかねばならないとき、「翻訳もの」にもしっかり目を向けていっても良いのかもしれません。

 

「採用情報」

キャリア採用には、下記のように記載がありました。

ビジネス書・自己啓発書・実用書などの単行本の企画および編集。

企画立案から書籍という形に仕上げるまで、1冊の本を総合的にプロデュースします。

直取引を行う当社は、書店様との距離が近く、1冊の本を必要とする読者に届けることを大切にしています。

営業部をはじめ、他部署ともオープンに意見交換をする文化があり、関連部署と連携して書籍のPRにもかかわることができます。

グローバル展開、電子や動画化などコンテンツを多角的に展開しています。
2020年からは完全リモートワークを導入し、居住地にかかわらず全国どこからでも勤務ができる体制となりました。
「人と組織の可能性を拓く」というミッションに基づいた書籍を出版し、ベストセラーを生み出したいという気概にあふれた方を募集します。 

 

2020年の新型コロナウイルスの流行をきっかけに、完全リモートワークになったようです。

私の会社では、リモートワークをしたり、元に戻ったり、そして再びリモートワークをしたり・・・と定まっていませんが、在宅勤務は、思ったほど多く問題が出てきませんでした。

今後、出版業界は、リモートワークが多くなっていくのかもしれませんね。

 

また、このリモートワークで良いなと思ったのが、東京以外に住んでいる人でも、出版社で働ける道が広がったことです。

 

出版社は、東京にあることがほとんどです。

関西で勤務していると、「あの会社、編集部は東京に一本化されるらしいよ」といった話をちらほら聞き、悲しい想いをしていましたので、この求人は、うれしいニュースでした。

 

3.まとめ

・今後、出版業界は、リモートワークが増えるのかも

・編集者は、新ジャンル・新形態の売れる企画を立てること

・編集者は、著者との出会いも重要

・小さい出版社からの脱皮として、「翻訳本」に目を向けても良いかも

 

『稼ぐ人の「超速」文章術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の読書感想文

中野 巧(著)

2020年7月出版/1500円+税/A5変判/2色刷り/表紙カバーあり/

本文14Q/264頁/左開き/文字は横組み/1ページ32文字×27行/

柱:章・節タイトル、右ページ・地・ノンブル横

d21.co.jp

--------------------------------------------------------------

今年になって、ブログを書き始めました。

そこでタイトルの「超速文章術」という言葉に惹かれ、本書を手にとりました。

袖のキャッチコピーも良いですね。

 

袖のキャッチコピーはこちら。

本書で公開しているノウハウ

①「SNS」に即応!

超速で文章力が上がるテクニカルな方法(1~3章)

②「ブログ・メルマガ」に即応!

超速で次から次に読まれる文章が書ける方法(4~5章)

③「ランディングページ」に即応!

超速で売れるセールス文章が書ける方法(6~7章)

--------------------------------------------------------------

<目次>

 --------------------------------------------------------------

1.企画・内容

著者は、「エンパシーライティング開発者」とのこと。この開発されたライティングのメソッドの講習が人気で、書籍化されたようです。

 

内容ですが、1~3章は、セールス文章を書く上での、基本的なテクニックが掲載されています。

例えば、「主語を“あなた”にする」「“?”を乱用しない」など。

 

また、情報発信の心得なども載っています。

例えば、「ストレスなく情報配信ができる環境をつくる」「はじめのうちは、質より量で勝負する」「“いいね!”やコメント数を気にしない」など。

 

4~7章は、著者が開発したメソッドやツールの紹介と解説です。

メソッドやツールはよくできていて、これに沿って書いたら、文章が上手に書けそうな気がします。書くのが苦手な人には良いかもしれません。

 

個人的には、編集者として響く内容がありました。

見出し・ネーミングのつけ方やペルソナの立て方など、普段、意識してやっているつもりですが、改めて文章で読むと、身がひきしまりますね。

 

身がひきしまるポイントは(個人的な備忘録ですが)・・・。

 

・見出し

理想は、「見出しだけを読んでも、6割ぐらいの内容が“なんとなく”わかる」こと

 

・ネーミング

1.わかりやすいか?(直感的にわかるか?)

2.口に出しやすいか?(発音してみて語感がよいか、人に言いたくなるか?)

3.機能や効果を想起しやすいか?

4.共感・親しみがわくか?

5.省略しやすいか?

6.コンセプトを表しているか?

7.記憶に残りやすいか(忘れないか、すぐに思い出せるか)?

 

・ペルソナ

その文章を読んでほしい理想の読者として、具体的なひとりーー「実在するあなたが知っている人」を設定する

 

忙しいときには、ここを読み返そうと思います。

また、著者のメソッドを使って、書籍の案内文を書いてみようかな? 

 

2.デザイン・組版・印刷・製本

判型が、イレギュラーですね。148×190㎜です。

 

付録は、充実しています。

はじめに「実践チェックリスト」が、1枚もので、取り外せる形でついています。

雑誌をつくっていた時代は、よくいろいろな付録を巻頭につけていましたが、書籍でもアリなんですね。

 

また、巻末付録として、著者のメソッドを体感できるWEBツールの紹介や「穴埋めキャッチコピー369」などがついています。

本書のおさらいとして、巻末付録をつけることが多いですが、このようにまとまっているのは良いですね。

 

本文は、ブログを読んでいるようで、改行や1行空きが多い印象です。

今は、ぎっしり1ページに文字を詰め込むより、このような文章が好まれるのかもしれませんね。

 

3.まとめ

・好評なセミナーの書籍化は良いかも。

・著者独自のメソッドなどは、引きになる。

・ブログのような紙面構成のほうが、読みやすいのかも。

・袖のキャッチコピーも重要。

・書籍でも、付録をつけて遊び心を入れると良いかも。

 

 

『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』(SB Creative)の読書感想文

アンドリュー・O・スミス(著)、桜田 直美(訳)

2019年11月出版/1500円+税/四六判/2色刷り/表紙カバーあり/

本文14Q/376頁/右開き/文字は縦組み/1ページ40文字×16行/

柱:章タイトルだけ、左ページ、天側

 

www.sbcr.jp

--------------------------------------------------------------

「人気本」と耳にしましたので手に取りました。オリエンタルラジオ中田敦彦さんもYoutubeで紹介されていたようですね。

 

また、帯には、作家の橘玲さんのお名前も。Amazonのコメントを見ていると、橘さんの名前で購入した人もいるようです。推薦者は、やはり重要ですね。

 

--------------------------------------------------------------

<目次>

 --------------------------------------------------------------

1.企画・内容

お金に関することを、かなりかみ砕いてわかりやすく伝えています。

 

社会に出てだいぶ経つ私ですが、長年かけてわかったことが、簡潔にまとめられていました。社会に出る前に読みたかったなという印象です。

 

構成は、

 

第1章 お金の計画の基本

第2章 お金とキャリア設計の基本

第3章 就職、転職、起業の基本

第4章 貯金と銀行の基本

第5章 予算と支出の基本

第6章 信用と借金の基本

第7章 破産の基本

第8章 投資の基本

第9章 金融詐欺の基本

第10章 保険の基本

第11章 税金の基本

第12章 社会福祉の基本

第13章 法律と契約の基本

第14章 老後資産の基本

付録 この本で学んだ大切なこと

 

で、個人的には、「第14章 老後資産の基本」は勉強になりました。

早めの準備が必要なんですね。また、「信託」というものも理解できました。

 

総じて、用語解説はわかりやすく秀逸です。また、著者のアドバイスもあり、響くものも多かったです。

 

例えば(個人的な備忘録ですが……)、

貯金ができる人は、目の前に欲しいものがあっても、将来の大きな目標を達成するまでにぐっとがまんする。

 

デリバティブは高度に洗練された投資方法であり、ときには開発者さえ完全に理解できないこともある。…(中略)…。規制が追いついていない状態だ。何十年ものキャリアがあるプロの投資家でなければ、デリバティブには手を出さないほうがいいだろう。

 

リバースモーゲージとは、自宅に住み続けながら、自宅を担保にお金を借り、毎月の収入という形で受け取るシステムだ。しかし残念ながら、リバースモーゲージには詐欺まがいの商法や不正が多発している。もし身近にリバースモーゲージを考えている人がいたら、よく注意するようにアドバイスしてあげよう。

 

本書は翻訳本ですが、日本の実情を補足し書いているところもあります。

読みはじめたときは、アメリカの話と割り切っていましたが、読み終わったときは、日本に住む私でも役立つ情報が多かったなという印象です。

 

最後に、「付録 この本で学んだ大切なこと」は、

・絶対に覚えておきたいお金のヒント10

・最初の仕事のヒント

・大学生活のヒント

・新社会人のためのヒント

が載っており、心に響きました。社会人1年目の初心を思い起こすために、この部分だけでも、読み返しても良いかもしれません。

 

2.デザイン・組版

本書は2色刷りで、えんじ色と黒色で展開されています。

意外とえんじ色って、かわいい感じになるのですね。少し避けていた色でしたが、今後使ってみたいと思います。

 

また、挿画は、ヤギワタルさんでした。

このブログを始める前に読んだ『1万人超を救ったメンタル産業医の 職場の「しんどい」がスーッと消え去る大全』『博報堂スピーチライターが教える 5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』(ともに大和出版)の挿画も、このイラストレーターさんでした。

ここ1年で読んだ本の挿画で、3冊もこのイラストレーターさんとは!? 少し気になってきました。

 

なお、出版社の書籍紹介やAmazonの「出版社より」では、この挿画をつなぎあわせて、内容を表現されています。このような手法も良いですね。

私は、よく紙面の何ページか掲載して、あれこれ文章を書いていましたが、挿画のつなぎあわせは、印象に残りますね。

 

最後に、参考文献の入れ方も参考になりました。

翻訳本なので、参考文献は洋書などが中心です。横書きが自然な入れ方ですが、本書は縦書きです。

このような場合、ノンブル横に、参考文献を入れるとスッキリしますね。

 

3.まとめ

・推薦者の影響は大きい。

・翻訳本も、日本で役立つ内容なら日本の情報も少し加えつつ、作ると良い。

・えんじ色は、かわいい。

・書籍紹介で、挿画をつなげて紹介する手法は良い。

『文響社』ってどんな会社?

出版社にいると、他の出版社の動向も気になります。たまに、出版社のHPをチェックし、その感想・気づきも綴っていこうと思います。

 

早速、先日読んだ『漫画バビロン大富豪の教え』の出版社の”文響社”のHPを見てみました。

 

--------------------------------------------------------------

<目次>

--------------------------------------------------------------

 

1.会社概要

会社名:株式会社 文響社

bunkyosha.com

 

所在地:〒105-0001 東京都港区虎ノ門2-2-5 共同通信会館9F

設立:2010年4月

代表者:代表取締役社長 山本周嗣

 

代表作:

うんこ漢字ドリル』『バビロン大富豪の教え』

『1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365』『夢をかなえるゾウ』

『不眠 睡眠負債・睡眠時無呼吸 不眠治療の名医が教える最高の治し方大全』など

 

紀伊國屋書店発表 「2019年 出版社別 売上げベスト100」:ランク外

https://www.shinbunka.co.jp/news2020/01/kinokuniya2019best100.pdf

--------------------------------------------------------------

 

文響社のスローガンは下記のとおりです。

「ORIGINATE ORIGINAL ORIGINALITY」をスローガンとする出版をはじめとした教育エンタメ企業です。…(中略)…。これから、人の成長を促す教育プログラムやサービスを拡大させていきます。

 

設立から10年の会社で、若い会社ですね。

出版物は、『うんこ漢字ドリル』から『不眠 睡眠負債・睡眠時無呼吸 不眠治療の名医が教える最高の治し方大全』まで、幅広い企画を扱っておられます。

 

書籍の出版点数は下記のとおりです。

創業から8年間の刊行点数は209点。うち50万部以上が6点、10万部以上28点。また5万部以上は51点あり4冊に1冊のペース

 

平均して、1年に26点程度の出版点数です。書籍編集部は7人とのことなので、1年で1人3・4冊程度の担当になるのでしょうか。しっかり本を作りこめそうです。

2.HPを見て

HPを見ますといきなり、「うんこドリル」のキャラクターが目に飛び込んできます。

また、「うんこ編集部」という部署があるようですね。

最近、売れた書籍をシリーズ化、ブランド化する傾向があります。これはうまくいっている事例なのではないかと感じました。

 

さて、HP上の書籍情報では、「新刊」「うんこ」「ビジネス・一般書」「実用書」「小説」「水野敬也の本」「翻訳書」に、カテゴリーが分かれています。

「うんこ」「水野敬也の本」で、カテゴリーを立てているのはおもしろいですね。

 

次に、HP上の採用情報を見ますと、気になった職種がありました。

 

・翻訳書編集部

「宝探し」と「本づくり」:

世界中の「面白くて魅力的な本」の中から日本でヒットする可能性の高いものを探し出し、翻訳版権の買い付けおよび出版までの一連の編集ディレクションを行います。弊社でこれからますます力を入れて取り組んでいく翻訳書部門の要となっていただきます。

 

具体的には:

海外出版社のカタログ、翻訳版権エージェントからの情報などを通じて、世界各国(※主にアメリカ、ヨーロッパ、アジア)で出版された書籍の翻訳版権を買い付けます。ジャンルはビジネス書から自己啓発書、実用書、エッセイ、児童書まで、幅広く検討します。

 

ひとたび契約が決まった後は、翻訳者の選定、日本語版タイトルの決定、編集・校正作業、デザイナーの選定や装丁の決定など、「本づくり」に関わる一連の業務を一任します(必要に応じて社内編集者がサポートしますので、多少経験が浅くても心配いりません)。

 

また、海外の出版関係者との直接のやりとり(メール、電話など)が発生することもあります。編集方針の決定をはじめ、翻訳者やデザイナー、場合によっては原著者とのやりとりなど、ご自身のクリエイティブな発想力やコミュニケーション力、語学力を存分に活かせる業務です。

 

私が所属している出版社でも翻訳本を手掛けていますが、翻訳本はいろいろ大変ですので、それ専門の編集部を立ててほしいなと感じました。

 

・外部編集部

【基本条件】

ジャンル   :オールジャンルOK。

        翻訳書、ビジネス書、絵本歓迎。

        独創性に富んでいるとなお可。

印税     :15%(発行部数ベース、編集費込み)

           (著者様、ライター様など、関係者の配分はお任せいたします)

本文デザイン・DTP・イラスト・写真・校正ほか

       :基本的に実費でお支払いします(応相談)

 

文響社は、企画ごとで編集者とつながる、募集をかけておられます。

最近、フリーの編集者も増えてきましたので、このように、私が所属している出版社も募集をかけた方がいいのかなと感じました。

 

また、「副業可能であれば、他の出版社勤務の方の応募も大歓迎」とあります。

以前、企画を出して、上司の気分で却下された企画がありました。出版社の方で副業OKなら、そういう企画を持ち込んでもいいのかも!?

 

ただ、これで稼ごうと思うと、発行部数が多く見込める企画を出さなければなりません。

例えば、1500円の定価の書籍で、印税15%、発行部数2000部とすると、支払われる額が45万円です。それを著者や編集者で分けるとなると、なかなか厳しいところがありますね。 

 

最後に、HP上のお知らせに、「【ビジネス系出版社4社合同!】営業が本当におすすめしたい本フェア」(2020年10月)のニュースがありました。

 

ビジネス系出版社として、英治出版、かんき出版、ディスカヴァー・トゥエンティワン文響社が入っています。

このようなグループがあるのを知りました。

 

まとめ

・売れた書籍のブランド化は検討すべき。

・翻訳書は専門の人を立てた方がいいな。

・企画ごとで、出版社と編集者がつながることも検討してもいいかも。